北海道マラソン

前大会報告

2007/08/26 北海道新聞朝刊全道

<2007北海道マラソン>
札幌に疾風集う 来月9日号砲 有力選手を紹介

 21回目を迎える2007北海道マラソン(北海道、札幌市、北海道新聞社などでつくる同組織委員会主催)が9月9日、札幌市内で開かれる。大会には過去最多の5197人がエントリー。事故防止のため、日本陸連登録選手は真駒内セキスイハイムスタジアム、一般競技選手は同スタジアムのある真駒内公園内園路から別々にスタートする。ゴール地点はどちらも同じ中島公園。

  招待選手は海外から男子2人、国内は男子4人、女子7人。これに主催者、道陸協招待の男子各2人、女子各3人を加えた計23選手を招いた。男子は福岡国際、別府大分などで上位入賞経験のあるモハメド・ウアーディ(フランス)と03年大会2位の中崎幸伸(トヨタ自動車九州)が実績などからレースの中心になるとみられるが、伏兵も多く混戦模様。女子はベテラン弘山晴美(資生堂)と、今年の大阪国際女子3位の加納由理(セカンドウィンドAC)の新旧対決に注目が集まる。

  大阪で開かれている陸上世界選手権との兼ね合いで日程がずれて、第2回大会以来の9月開催となる今大会。初秋の道都を舞台に熱いドラマを繰り広げる有力選手を紹介する。

弘山晴美(38)=資生堂、160センチ、47キロ

増田明美さん

マラソン10度目の挑戦となった昨年3月の名古屋国際女子マラソンで悲願の初優勝を遂げた弘山晴美。初出場の北海道マラソンではどんなレースを見せるのか

女王 スピード健在

 名ランナーとしか形容する言葉が見当たらない。アトランタ、シドニー、アテネと五輪3大会連続出場を成し遂げ、世界陸上にも4度出場。「トラックの女王」の異名をほしいままにしたスピードは健在で、マラソンランナーとしてはいまだに国内トップレベル。年齢を重ねるごとに輝きを増す弘山が、北海道マラソンに初参戦する。

  弘山の陸上人生はドラマの連続だ。2000年シドニー五輪の一万メートル代表内定を受けながら、マラソンでの出場に挑戦。選考レースだった同年の大阪国際女子で当時、日本歴代3位の記録となる2時間22分56秒(自己ベスト)の見事な走りを見せた。だが、リディア・シモン(ルーマニア)にわずか2秒差で敗れ、選に漏れた弘山はそこからトラックに戻り、一万メートルの代表となった。

  マラソンでの出場に再び挑んだ04年アテネ五輪も、選考レースで5位に終わり夢破れた。しかし、ここでも気持ちを切り替え、長距離種目の代表を勝ち取った。42・195キロで悲願の初優勝を遂げたのは、10度目のマラソンとなった昨年の名古屋国際女子。トップを行く渋井陽子と最大1分近くあった差を驚異の粘りで縮め、残り1キロ余りで一気に抜き去ってみせた。

  連覇と世界陸上出場がかかった今年の名古屋国際女子は、小差の2位。惜しくも5度目の代表入りはならなかった。だが、昨年の全日本実業団女子駅伝では資生堂のアンカーとして、区間新をマークして初優勝のゴールテープを切った。今年2月の丸亀ハーフも1時間10分台で走破するなど“女王”のスピードに陰りはない。

  夫で、コーチでもあった勉氏が今年4月資生堂の監督に就任。「監督は時にやさしく、時に鬼」と笑う弘山は、9月2日に39歳の誕生日を迎える。「気負うことなく走りたい」と語るベテランは、夫唱婦随で北の大地での優勝を目指す。徳島県出身。

加納由理(28)=セカンドウィンドAC、152センチ、40キロ

成長株 狙うはV

今年1月の大阪国際女子マラソンで、念願のフルマラソン初挑戦。2時間24分43秒の好記録で3位に食い込んだ。8月にはニューヨークシティー・ハーフマラソンに出場し、4位入賞。世界陸上の補欠代表に選ばれた。
  マラソン転向前は駅伝やトラック競技で実力を発揮。05年の横浜国際女子駅伝で日本のV奪還の立役者となり、06年陸上日本選手権で五千と一万メートルの2種目に入賞した。同年12月の全日本実業団女子駅伝で最長11・6キロの5区を走り、資生堂の初優勝に貢献した。
  資生堂から今年、セカンドウィンドACに移籍。年齢的には遅咲きのマラソン転向だったが、それだけにまだ成長途上ともいえる。今大会の目標はずばり優勝。「マラソンの回数は少ないが、今回はしっかり勝負したい」と意欲を燃やす。兵庫県出身。


主な国内招待選手

西沢麻美(31)=和光AC、161センチ、45キロ

前半は落ち着いて

旧姓は小尾。マラソン初挑戦だった99年の北海道マラソンで3位に食い込み、01年は4位入賞を果たし相性は抜群。今大会の作戦は「夏のレースなので前半は落ち着いて後半は粘り強く」。2時間30分を目標に表彰台を狙う。長野県出身。


挽地美香(25)=天満屋、155センチ、41キロ

最後まで粘り強く

昨年の名古屋国際女子でフルマラソン初挑戦ながら10位と健闘。今後の飛躍が期待されている若手ランナーだ。今年7月の札幌国際ハーフは14位。「集団から離れず1人にならないように、最後まで粘り強く走りたい」と初の北海道マラソンを楽しみにしている。佐賀県出身。


主催者招待選手

星野芳美(41)=eA静岡、156センチ、46キロ

一般参加で4位に

30歳になって走り始め、3児の母でもある市民ランナー。2度目の挑戦となった昨年の北海道マラソンは一般参加で4位。本人は「奇跡も起こることがあると信じた」と振り返る。今年は「故障明けだが、全力で戦います」。再び奇跡を起こしたい。三重県出身。


田上麻衣(27)=菅平高原温泉ホテル、155センチ、43キロ

3位以内3度の力

北海道マラソンは4度目の出場。03年3位、04年と06年は2位と上位の常連だ。今年は実業団チームを離れ、相性の良い大会に挑む。「仕事の合間に練習する大変な環境ですが、伸び伸び走れるようになったのでマラソンを楽しみたい」。兵庫県出身。


田中千洋(37)=大通、153センチ、39キロ

「やればできる」実践

市民ランナー「小倉千洋」として参加した1997年大会で優勝。その後結婚し、出産後は競技から遠ざかったが03年大会で再び優勝した。2度目の出産休養後初のマラソンだった昨年は6位。「年齢的にも厳しい環境の中でやればできることを見てほしい」と話す。兵庫県出身。


男子

中崎幸伸(28)=トヨタ自動車九州、168センチ、55キロ

中崎幸伸

2003年の北海道マラソンで日本人最高の2位に入った中崎幸伸。今年は後半の粘りで初制覇を狙う

復活かけ粘りで勝負

 2003年の北海道マラソンでは、優勝したエリック・ワイナイナと最後までデッドヒートを繰り広げ、見事2位と健闘。中崎が「やればできる」と自信を深める大会になった。翌年の東京国際マラソンでは4位。自己最高記録を一気に4分近く縮める2時間9分28秒をマークして、2時間10分を切るサブ・テン・ランナーの仲間入りを果たした。

  05年の北京国際マラソンで日本勢最高の3位に入賞。飛躍が期待されたが、昨年は左足首の故障に泣かされた。北海道マラソンも17位と不本意な結果に終わる。故障が癒え、復活に向けてトラックから立て直しを図った。昨年11月の九州一周駅伝には福岡県代表で出場。10日間のレースで3度出走したうち2度の区間賞に輝き、チームの優勝に貢献した。今大会を前に「そろそろ冬眠から起き、走り出したい」と闘志を燃やす。

  マラソンを走る理由は「走る姿を見てもらいたい」から。生後4カ月になる長男にも父親の雄姿を見せたいところだ。

  北海道マラソンは3度目の挑戦。「後半の粘りが勝負」と作戦を練る。03年大会で記録した2時間13分台を再び狙って悲願の優勝を果たしたい。「成果をすべて発揮するために、苦しい練習を思い出し、応援してくれる家族やみなさんに感謝し、今の自分を信じて走ります」と穏やかに、だが力強く再起を誓う。宮崎県出身。

喜多健一(28)=九電工、185センチ、65キロ

距離に適応 上位を狙う

帝京大時代は箱根駅伝復路のエース区間である9区に3年連続出場。社会人になって五千メートル、一万メートルを主に戦ってきたが、思うように記録が伸びず「日本のトップを目指したい」とマラソン挑戦を決めた。
  初挑戦は2年前の延岡西日本マラソン。2時間16分11秒で7位に入賞したが、「あと10キロと思ったら足が止まった、長かった」。昨年の同大会では5分近くタイムを短縮し自己ベストの2時間11分41秒で2位。「自信になったが、ラスト5キロが今後の課題」と振り返った。その後10月に行われた北京国際で10位に入賞した。
  「40キロ過ぎにテレビに映りたい」。走るたびにフルマラソンの距離に適応してきた自信を胸に上位入賞を狙う。佐賀県出身。


海外招待選手

モハメド・ウアーディ(38)=フランス、172センチ、57キロ

▽自己ベスト記録 2時間7分55秒(99年福岡国際2位)
▽主な戦績 2000年シドニー五輪8位、06年別府大分5位


ヒラリー・コリル(30)=ケニア、172センチ、53キロ

▽自己ベスト記録 2時間10分17秒(06年カルピ=イタリア=3位)
▽主な戦績 04年リールハーフ(フランス)3位


主催者招待選手

丸山光昭(30)=YKK、175センチ、61キロ

できる限り先頭集団で

5度目の北海道マラソン。過去4度の出場では入賞3回(最高順位は03年の5位)と相性が良い。昨年も7位に入賞した。
  今年はさらに勢いをつけて「行けるところまで先頭集団で走る」作戦で自己ベストの2時間14分台を目標タイムに、3位以内を目指す。長野県出身。


山田剛史(26)=JR東日本、175センチ、60キロ

勝負までは省エネ走法

昨年の北海道マラソンは30キロ付近まで先頭集団に食らい付き、粘りの走りで5位に入賞した。自己ベストはマラソン初挑戦の04年大会で記録した2時間18分42秒(12位)。
  調子は上向いているといい、今大会は「勝負どころまで省エネで走る」という作戦で昨年の上を行く成績を狙う。広島県出身。


◇主催 2007北海道マラソン組織委員会(北海道陸上競技協会、北海道新聞社、北海道文化放送、エフエム北海道、道新スポーツ、北海道、北海道教育委員会、札幌市、北海道体育協会、北海道市長会、北海道町村会、札幌商工会議所、北海道観光連盟、札幌観光協会)
◇主管 札幌陸上競技協会
◇後援 日本陸上競技連盟
◇協賛 武田薬品工業
◇特別協力 フォルクスワーゲングループジャパン、出光興産、NTTドコモ北海道

→招待選手のベスト記録

→大会記録ベスト10

→過去の大会記録

大会記録のスプリットタイム

<男子>第12回大会 A・トロッサ(テクモ)

  天候 気温(℃) 湿度(%) スプリットタイム ラップタイム
5キロ 曇り 20.0 85 15分38秒 15分38秒
10キロ 曇り 21.0 75 30分54秒 15分16秒
15キロ 曇り 22.0 75 46分40秒 15分46秒
20キロ 曇り 21.0 72 1時間2分2秒 15分22秒
中間点 - - - 1時間5分32秒 -
25キロ 曇り 23.0 79 1時間17分55秒 15分53秒
30キロ 曇り 21.5 77 1時間33分20秒 15分25秒
35キロ 曇り 20.0 70 1時間48分15秒 14分55秒
40キロ 曇り 21.0 72 2時間3分34秒 15分19秒
ゴール 曇り 22.0 83 2時間10分13秒 6分39秒

<女子>第19回大会 千葉 真子(豊田自動織機)

  天候 気温(℃) 湿度(%) スプリットタイム ラップタイム
5キロ 曇り 25.0 63 17分4秒 17分4秒
10キロ 曇り 27.0 50 33分47秒 16分43秒
15キロ 晴れ 26.3 54 50分41秒 16分54秒
20キロ 曇り 27.0 55 1時間7分46秒 17分5秒
中間点 - - - 1時間11分32秒 -
25キロ 曇り 28.0 50 1時間25分7秒 17分21秒
30キロ 曇り 27.0 40 1時間42分37秒 17分30秒
35キロ 曇り 29.0 50 2時間0分2秒 17分25秒
40キロ 曇り 26.0 60 2時間17分46秒 17分44秒
ゴール 晴れ 26.0 62 2時間25分46秒 8分0秒
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